旧暦でお盆を行う沖縄では、毎年旧暦7月13日~7月15日までがお盆の日となっています。沖縄のお盆は3日間を1日目(ウンケー)2日目(ナカビ、ナカヌヒ)、3日目(ウークイ)と分けて行います。2021年の旧盆は8月20日(金)~8月22日(日)までとなっています。
沖縄のお盆での行事
ウンケー(お迎え)は旧盆初日に行い、祖先(ウヤファーフジ)の霊をお迎えする儀式です。仏壇にスイカ、アダンの実、サトウキビ、竜眼、グーガー、ミカン、ショウガ、団子、野菜類、里芋、麦粉、米、キビなどを飾り、ちょうちんを灯してお迎えをします。
ナカビは2日目で、祖先も家に帰ってきてゆっくりしているようなので特に行事的な予定はないため、この日に親戚の家に行ってあいさつ回りをすることが多いです。
ウークイは3日目で、旧盆で最も重要な日で、祖先をあの世へお見送りする儀式です。その為ウークイには必ず家族が集まって1年の出来事を祖先に報告します。それぞれの家族がウチカビ(あの世でのお金)3枚ずつ用意し、送り火のようにそれを燃やして一緒にお見送りをします。ウチカビにはあの世でヒンスー(貧相)な思いをしないようにという意味があるようです。ちなみに、うちかびの価値はこの世では500円ぐらいですが、あの世では2億ぐらいの価値があるそうです!これなら裕福に暮らせそうですね。
お盆の日の料理
沖縄では旧盆中、精進料理を朝・昼・晩お供えする習慣があります。その為、毎日ご先祖様に加えて家族の分、来客の分まで食事を準備しなくてはならないのです。
ウンケー(お盆の1日目)には「ウンケージューシー」(ジューシーとは沖縄版炊き込みご飯)をお供えします。旧盆中の食事はならずご先祖様から先に食べてもらい、一緒にお供えした線香が消えたら食べ終わったという風に考えられています。
お盆のナカビ(お盆の2日目)は、昔ながらの風習で間食に甘菓子やソーメンなどをお供えするようです。
ウークイの日(お盆の3日目)は重箱の料理で、中身は、皮付きの三枚肉、天ぷら、かまぼこ、中身汁、お餅、ごぼう、こんにゃく、昆布、揚げ豆腐などです。
1.お供え物
朝からの御膳料理は、中日(ナカヌヒー)と同じ。
ご飯と汁物に酢の物を基本として、お昼には素麺を食べる。ナカヌヒーの夕食は、煮物を添える。ウークイでは、ウサンミが出て来るので、その中から数品取り出し、ウチャワキとして御膳に供える。
2.準備
重箱料理のウサンミ(御三アジ)やお祝い用としてチュクンの四段のものを準備する。お餅は、白餅赤餅で準備。
3.ウサンミ
仏教行事では肉類は少ない。沖縄は、豚の三枚肉の煮物は定番だ。
何か一品と思うのであれば、素麺汁(ウンケージューシー)として役立つ。
4.ウークイの準備
ご先祖様へウハチを出し、ウサンデーの食事会が落ち着いた頃、始める。沖縄で基本のことを準備する。
(1)ピラウコー
お線香が6本ついたもの
(2)ウチカビ
打ち紙とは、ご先祖様に送る天国のお金だ。
(3)ボール
ウチカビを焚く金属ボールと火箸セットで販売されている。
5.ご先祖様をお見送りする
ヒラウコーというお線香を拝することから始まる。本数は、タヒラ、つまり2枚だ。その後、家長が続いて1/2ヒラ(半分の3本)の線香を拝します。
6.ウークイの文言
(1)今年も皆でご先祖様へおもてなしができました。
(2)本日はウークイの日
この三日間ありがとうございました。お供え物をお召し上がりください。お土産は、お持ち帰りください。あの世でもどうぞお見守りください。来年もまたお越しください。
7.ウチカビを焚く儀式
拝み終わったら、ウチカビを焚く儀式に入ります。この時、ウチカビを焚き始める前にお供えしたウチハを準備して下さい。
(1)ウチカビを焚く
焚いた後お酒をかけるのが習わしです。その後、金属ボールの中に、先程用意したウチハと供え花、お茶(ウチャトゥ)、ミンヌクをまとめ入れてください。ミンヌクとは、チガリムン(餓鬼)を避けるために仏壇前に置いたサトウキビや野菜の切れ端です。そのため、ボウルに入らずに門前にまく地域も多くなります。ヒラウェーも添えてください。この金属ボールを門前に持っていき、門の前でヒラウコーをタヒラに配してお見送り(ウークイ)します。この時も文言を唱え、家族は拝んで終わります。
お盆に踊られるエイサー
エイサーとは沖縄県と奄美群島などで旧盆の時に行われる踊りのことです。地域によっては3日間通して行われるところがあれば、ウークイの日のみに行われたりと様々です。
この旧盆に向けて1ヶ月以上前から毎晩のように練習を積み重ねてきた青年会の熱い演舞が披露されます。
地元の青年団などの方々が太鼓を叩きながら街を踊り練り歩く「道ジュネー」が夜な夜な見られます。
道じゅねーでは、各地域の青年団の方とのエイサー合戦が見られることもあります。