
農地を売却したいと考えたとき、何から始めれば良いのか悩んでいませんか。
農地は宅地や田畑と異なり、特有の法律や手続きが数多く存在します。
本記事では、農地の売却が難しい理由や手続きの流れ、費用や税金の全体像までを解説いたします。
農地が売却しづらい理由

農地を売却する際、知っておくべき大切なポイントがあります。
まずは、農地の売却が難しい背景や農地法による制限について解説していきます。
売却制限の政策背景
農地を手放す際には、食料自給率を守る国策や土地保全を目的とした、多くの規制が障壁として立ちはだかります。
そのため、一般的な宅地の売買と異なる特別な手続きや許可申請が、農地の取引では必要不可欠となります。
戦後から続く農地政策は「所有と利用の一致」を重視しており、農地が投機対象とならないよう厳しいルールを設けてきました。
また、過疎化が進む地域でも優良農地を確実に守るため、国や都道府県は許可権限を行使して無計画な転用を抑制しています。
農地法による規制
農地法は農業振興を支える基幹法であり、3条・4条・5条の許可制を通して、所有権移転や地目変更を厳しく管理します。
3条は、農地のまま権利を移転する際に適用され、買い手が農業従事者か、下限面積要件を満たすかなどが審査されます。
なお、令和5年(2023年)4月1日の農地法改正により、これまで都道府県ごとに定められていた「下限面積要件」は廃止されました。
現在は、面積の大小にかかわらず「効率的に耕作できること」「継続的に農業を行う見込みがあること」が審査の中心となっています。
そのため、小規模な農地でも適切な経営計画を示せば、許可が得られる可能性があります。
4条は、所有者自身が農地を宅地や駐車場などへ転用する場合の許可で、都道府県知事の承認が必要となるケースもあるでしょう。
また、5条は転用を伴う権利移転を扱い、買い手の利用目的や事業計画まで詳細にチェックされるため開発許可と深く関わります。
どの条項の許可申請でも立地基準と一般基準の二段構えで判断され、農用地区域内の農地の転用は原則不許可です。
許可を得るには周辺農地への影響等を説明し、計画が地域農業の方向性と合致することを資料で証明する必要があります。
許可失敗の注意点
許可申請が却下される典型的なケースとして、次のような例が挙げられます。
●買い手が農業経験を示せない場合
●転用先の施設計画が農地集団を分断する場合
●広い区画を分筆せずに売却しようとする場合
また、過去に農地を遊休化させた事例が多い地域では、審査がより厳格になり、追加の事業計画書を求められることもあります。
なお、令和5年(2023年)4月の改正で下限面積要件は廃止されました。
しかし、実際の審査では「効率的な農地利用」や「農業を継続できる見込み」が引き続き重視されます。
面積の大小よりも、経営計画の実現性や周辺農地との調和を明確に示すことが重要です。
さらに、許可を得る前に売買契約を結ぶと、契約自体が無効になるリスクがあります。
融資審査や着工スケジュールにも影響するため、許可取得を前提に計画を立てましょう。
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農地の売却方法

前章では農地の売却が難しい理由と制限について述べましたが、具体的な売却方法や流れも気になりますよね。
ここでは、農地の売却方法や手続きの流れについて解説いたします。
売却ルートの比較
農地を売却する主なルートには、農業従事者へ売る方法と転用許可を得て一般事業者へ売る方法があります。
転用後の売却は、買い手の幅が広がり地価が上昇する可能性も高いものの、様々な審査が並行するため期間とコストがかさんでしまうでしょう。
どちらのルートでも、地域農業への影響評価や周辺住民との合意形成が条件となり、説明会や公告による情報公開が求められます。
手続きの流れ
手続きはまず農業委員会への事前相談から始まり、その後、測量や境界確認を経て申請書類を作成します。
申請には、現況平面図や事業計画書、資金計画書、誓約書といった多数の添付書類が必要となります。
申請が受理されると現地調査と委員協議がおこなわれ、問題がなければ許可書が発行される流れです。
許可取得後に売買契約を締結し、所有権移転登記や固定資産税清算を経て、最終的な決済と引渡しへ進みます。
転用型では、用途変更完了報告や工事完了検査が追加され、全体の工程はさらに長期化することになります。
期間の目安として、農家売却や届出で済むケースは数週間〜数か月で済む場合もありますが、転用許可や農振除外を伴う場合は半年〜1年以上かかることもあるでしょう。
必要書類と費用目安
手続きには申請書本紙のほかに、農振地除外申請書や位置図、公図や登記事項証明書、印鑑証明書などが必要となります。
これらの書類の取得費用は数万円程度ですが、土地家屋調査士への測量図作成依頼で10万円以上が必要です。
行政書士への申請代行報酬は地方で5万円、都市部で15万円以上が相場ですが、難易度が高いと報酬も上がります。
さらに、転用型では開発許可手数料のほか、上下水道負担金や農地保全補償金が数十万円かかる場合もあります。
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農地の売却にかかる費用と税金

ここまで農地の売却理由や方法について解説しましたが、費用や税金についてもおさえておきましょう。
最後に、農地売却にかかる費用や税金・手数料の全体像について解説していきます。
仲介手数料の計算
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が決められており、売買価格が400万円超の場合は「売却価格の3%+6万円」に消費税をくわえた額が上限です。
たとえば、売却価格が2,000万円なら、計算式は2,000万円×3%+6万円となり、消費税を含めると約72万6,000円が相場となります。
手数料は、契約時と決済時の2回に分けて請求されるのが一般的ですが、双方の合意があれば決済時一括払いも可能です。
また、仲介手数料の消費税は10%で計算されるため、価格交渉で値引きをおこなう際は、税込総額がどの程度変わるかを事前に試算しておくと安心です。
なお、広告費や現地看板設置費を別途請求する会社もあるため、媒介契約時に費用負担区分を細かく確認しておきましょう。
売却時の税金
農地売却で主に負担する譲渡所得税と住民税は、所有期間5年を境に税率が変動するため注意が必要です。
譲渡所得額は、売却価格から土地の取得費や仲介手数料などの譲渡費用、特別控除を差し引いて算出します。
事業承継計画を策定して譲渡する場合には、特定農業経営基盤強化税制による追加の特別控除を受けることも可能です。
印紙税は契約金額に応じて課税され、例えば2,000万円超5,000万円以下なら1万円の収入印紙を貼付します。
登記の際の登録免許税は、売買による所有権移転では課税標準額の2.0%(軽減措置があれば1.5%)が原則です。
相続による移転の場合は0.4%です。
なお、地目変更のみの登記には通常、登録免許税は課されません。
その他の諸費用
自治体ごとに異なる農地転用許可申請料は、1筆あたり数千円~数万円が一般的な目安となります。
測量費は、隣接地所有者の立会い有無や境界杭の本数で変動し、50万円を超えるケースも少なくありません。
宅地造成では、上下水道引込や擁壁工事が必要となり、面積100㎡あたり50万円~100万円が目安です。
つなぎ融資を受ける場合、借入期間6か月・年利2.0%なら、1,000万円の借り入れで利息は約10万円となります。
司法書士報酬は所有権移転登記で3万円前後、抵当権抹消で1万円前後が相場ですが、筆数が多いと追加費用がかかるでしょう。
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まとめ
農地は、食料自給率を守る国の政策や農地法による厳しい規制があるため、一般的な土地のように簡単には売却することができません。
農地を売却するには、農業従事者へ直接売るか転用許可を得て売る方法があり、どちらも農業委員会への相談から始まり手続きが必要となります。
売却時には、仲介手数料や譲渡所得税といった税金の他に、測量費や造成費などの諸費用も発生するため、事前の資金計画が大切です。

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